趣味
TOKYO CALLINGに行った。
お気に入りの曲だけを入れているプレイリストがあるのだが、いくらお気に入りでもずっとコンスタントに聴いていると飽きてきたり今の気分じゃなかったりして飛ばしてしまうことがある。
でもKUZIRAの曲だけは毎回飛ばさず聴いている、ということにふと気がついた。
自分が自覚している以上にKUZIRAの曲が好きなんだと自覚した瞬間だった。
じゃあライブに行こうと思った。
オフィシャルサイトで直近のライブ日程を調べると、1番上に渋谷のサーキットイベントが出てきた。
それがTOKYO CALLINGだった。
ライブは翌日だったけれど、運良く休みで予定もなくチケットも販売中だったため行くことにした。
ライブハウスに行くのは、コロナが広まってから初めてで実に4年ぶりだった。
自分の10代からの人生史上最もライブハウスに行かなかった最長記録だと思う。
O-EASTの名前がTSUTAYAからSpotifyに変わっていた。
ShibuyaからTSUTAYAに変わった時は、Yahooドームみたいになっちまったなと思ったが、今回はPayPayドームみたいになってて時代の移り変わりを感じた。レンタルの時代、終わったもんね。
そしてこのTOKYO CALLINGに来るきっかけとなったKUZIRAは入場規制で入れず見ることが出来なかった。なんとも間抜け。
久しぶりのフェスあるある規制の洗礼を受けた。
そうだった、見れないことあるんだった。
私はまたKUZIRAのオフィシャルサイトを度々見ることになると思う。
KUZIRAが見れないことは確定していたけど、私が見たいバンドはほぼほぼWESTに固まっていたのでそのまま入場列に並び続け、かりゆし58から私のTOKYO CALLINGはスタートした。
泣いた。
目の前のスピーカーから出るうるさすぎるくらいの音、心臓に響く重低音、ステージとの距離感。
野外フェスは定期的に行っていた。
でも野外には野外の良さがあってライブハウスにはライブハウスの良さがある。
野外にはないライブハウス特有の雰囲気が染みに染みた。
あのバスドラやベースの重低音が心臓に響く感覚が昔から好きだった。
私が死ぬ間際にライブハウスで心臓に重低音響かせてもらったら、ちょっと生き返ると思う。
聞いた瞬間もう、あーーーこれだよこれこれーーーー!!!って。
数年シャワーだけ生活してきた後に温泉入ったみたいな。
全然シャワーだけで事足りるんだけど、入ったらもう最高で虜になっちゃう、みたいな。
とにかく最高だった。
ここ最近、この先どうやって1人で生きていくかみたいなことをよく考えていた。
アラサーで彼氏との関係に先行きが見えず、今後の生き方に迷い、孤独に対して恐怖を感じていた。
そんな中、かりゆしのステージを見ていたらふと、なんだ私1人でも楽しく過ごせるじゃん自分で選んで日々楽しくできるじゃん。そう思えた。
野外フェスは友達と行くので、そもそも1人でライブに行くこと自体久しぶりだった。
1人だと人と話すことがなく感情が自分の中だけで留まるので、よりエモーショナルになる気がする。
1人ライブハウスでビールを飲みながらステージを見ている時にしか得られない幸福が確かにそこにあった。
1人でも楽しめる、1人だからこそ浸れる空間がある、そう実感できて心が少し軽くなった。
1人も悪くないなと思った。
そしてこれまたかりゆしの歌も良くて色々感極まって涙ちょちょぎれ女爆誕。
実際、パートナーがいようがいまいが1人でライブに来て最高を味わうことはできる。
でも、この複雑な感情は今の自分の状況じゃないと感じないものだ。
寂しいとか孤独とかネガティブに捉えがちだけど、そんな状況だからこそ得られる感情や思考は副産物としてポジティブに受け取ることにしようと思った。
満ち足りた状況で見ていたら、きっとこんな風には思わない。
それはそれで幸せ。
思い悩めることも幸せ。
バンドマンの誰かが同じライブなんて無いって言ってたけど、見る側の状況1つ取っても受け取り方がこんなに違うんだから、同じライブなんて無いに決まってるね。
まさにLIVEだ。
その後Some Life、locofranc、スサシ、SHADOWS、dustboxと鑑賞。
なんとスサシとSHADOWSはライブで見るのは6年振りだった。
久しぶりだなと思っていたけど、数字にするととても長い年月に思える。
そりゃ自分も歳とる訳だ。
活動休止になったり解散するバンドもいる中、コロナを乗り越えてなお変わらず前線で活動し続けていることに勇気を貰った。
変わらず彼等はかっこよかった。
KUZIRA規制の件がトラウマで、ダストはどうしても見たかったのでロコからWESTに居座り続けひたすらビールを飲んだ。
お陰でダストは最高に楽しめた。
好きな曲ばっかりで近年で1番はしゃいだ。
友達と行くライブはもちろん楽しいけど、1人で楽しむライブは"趣味をやっている"という実感が強くてそれはそれでいいなと思った。
昔の自分がやっていた趣味の時間の素晴らしさを再確認した日だった。
これからもっと楽しい日々を過ごせそうだ。